シマダ皮膚科便り
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アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う湿疹が全身性にみられ、多くの方にはアトピー素因(アレルギー疾患や家族歴)がみられます。
皮疹の分布などは年齢によっても異なりますが、一般的に左右対称性に外的刺激が加わる場所(頬部、頚部、わき、肘膝などの関節部)によくみられ、軽快、増悪を繰り返します。
乳幼児時期に発症することが多いですが、大人になってから発症する方や、軽快していた症状が成人以降に再発するケースもあります。
アトピー性皮膚炎の定義、診断基準などは下記(日本皮膚科学会HP内)を参照ください
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/q03.html
VIEW39(1回の採血で39種類の項目を調べることができます)
パッチテスト(ジャパニーズスタンダートアレルゲン、金属パッチテスト)
TARC検査(採血で皮膚炎の程度が数値で判定できます)
主に下記の治療薬を使用し湿疹とかゆみのコントロールを行います。
また、アレルギーのある方は可能な範囲でアレルゲンの除去を行います.
外用薬
ステロイド外用とプロトピック軟膏、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏などを使用し炎症とかゆみをおさえます。
また、保湿をしっかりおこなうことでバリア機能を低下させないようにしていきます。
ステロイドは急性期の湿疹には必須の外用薬です。特に皮膚が赤く、硬くなっている部分や、じゅくじゅくしているところに使用します。湿疹の状態、部位により強さを調節していきますが、一旦よくなったからといってすぐに外用をやめてしまうとまた悪化してしまします。見た目はきれいに見える皮膚でも触るとザラザラしている部位などはかくれた炎症が残っていると考え外用を継続する必要があります。
しっかり炎症がおさまった後は、寛解状態を長く維持できるように皮疹軽快後も週1-2回は外用継続していくプロアクティブ療法を推奨しています。また、近年はステロイドとは作用機序の異なるプロトピック軟膏、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏なども併用することでステロイドの長期使用による副作用(皮膚の菲薄化、血管拡張など)を低減しながら湿疹をコントロールできるようになってきました。
内服薬・注射剤
ここ数年毎年のように新薬が発売されています。
重症なアトピー性皮膚炎の方もコントロールできる時代になってきました。
適切に外用加療をおこなったけれど軽快しなかった患者さんに適応がある全身療法です。
薬剤によっては投与前に重症度評価や採血、胸部レントゲンの検査が必要なものもあります。
(当院では同じフロアの”たかの内科クリニック”と連携し薬剤投与前の胸部レントゲン検査を行っています)
抗アレルギー剤内服(かゆみの原因物質の1つであるヒスタミンの作用を抑制します)
プレドニン内服(ステロイド剤)
シクロスポリン内服(免疫抑制剤です。高血圧症、腎機能低下のある方は長期投与に注意が必要です)
オルミエント®内服(JAK阻害剤。皮膚炎、かゆみに関与する複数のサイトカインの産生を抑制します)
リンボック®内服(JAK阻害剤、上記と同様)
サイバインコ®内服(JAK阻害剤、上記と同様)
デュピクセント®注射(皮膚炎やかゆみを引き起こす炎症物質IL-4/13の働きを抑えます)
アドトラーザ®注射(皮膚炎やかゆみを引き起こす炎症物質IL13の働きを抑えます)
ミチーガ®注射 (かゆみに関与する炎症物質IL-31の働きを抑えます)
※デュピクセント 受診時紹介元からの紹介状(診療情報提供書)
光線治療
当院では難治性のアトピー性皮膚炎に対し中波紫外線療法も行っております(保険適応の治療)。
皮膚に直接紫外線を照射することにより(有害な波長は除去されています)炎症、掻痒を改善させる治療です。
308エキシマシステムは短時間でより強い光を患部だけに安全かつ効果的に照射し治療することができます。
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東京都北区王子1-10-17 ヒューリック王子ビル5階
シマダ皮膚科クリニック
TEL:03-6903-3080
HP : https://hifuka-shimada.com
https://shimada-biyou.com
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