シマダ皮膚科便り
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悪性黒色腫(メラノーマ)
メラノーマはメラノサイト(色素を生成する細胞)が癌化した悪性腫瘍です。
皮膚に発生するものは末端黒子型、表在拡大型、悪性黒子型、結節型に分類されています。
また、皮膚以外にも脳や眼球に生じることがあり、その場合は脳外科や眼科での治療となります。
日本人においては末端黒子型(手掌や足底に発生)が約42%、表在拡大型が20%ほどを占めます。
悪性度の高い癌のため早期の発見、診断が重要になります。
実際に病期分類が0期(腫瘍が表皮内にとどまる)やⅠ、Ⅱ期(リンパ節や遠隔転移なし)の場合は高い5年生存率が望めます。
本邦における罹患率は年間1.12人/10万人と報告されています。東京北区の人口は約34万人ですので年間4名ほどになります。
診断
肉眼的、またダーモスコピーを用いた診断
当院では疑わしい症例は近隣の大学病院へ紹介しております。
治療
切除手術が基本となります。
病期に応じて抗癌剤を用いた化学療法、放射線治療が行われます。
症例
足底の黒色斑の拡大があり、当院を受診された30代女性の方です。
ダーモスコピー検査でメラノーマを疑う所見があったため、大学病院に紹介となりました。
早期発見で手術されたため、今は元気に過ごされています。
一見するとほくろとよく似ていますが、非常に悪性度の高いがんです。
進行が極めて早く、早い時期に転移することも少なくありません。
そのため、メラノーマを疑うような所見がみられた場合は早めに受診することが大切です。
高齢の方だけでなく、お若い方にもみられる病気です。
少しでも不安に感じたら、ご相談にいらしてください。