シマダ皮膚科クリニック

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円形脱毛症Shimada Dermatology's Letter

円形脱毛症

頭皮などにコインサイズくらいの脱毛斑が突然みられる病気です。

頭皮に単発する方、多発する方、全身の毛に病変が及ぶ方もいらっしゃいます。

毛髪は外見上の印象が大きいため、患者 さんの精神面、生活の質にも影響 してしまいます。

コロナ禍において円形脱毛症の方が増えている印象があります。

円形脱毛症は、脱毛斑の数や範囲から 一般的に下記に分類されます。タイプによって治癒までの経過や予後が異なることがあります。

単発型:脱毛斑が単発のもの

多発型:複数の脱毛斑を認めるもの

全頭型:脱毛巣が全頭部に拡大したもの

汎発型:脱毛が全身に拡大するもの

蛇行型:頭髪の生え際が帯状に脱毛するもの

原因

円形脱毛症の直接的な原因はまだわかっていませんが、毛球部が異物と間違えられて自分自身のリンパ球に攻撃されて毛根が痛んで脱毛することがわかっています。

・アトピー性皮膚炎、甲状腺疾患,自己免疫疾患(SLE,関節リウマチ、1型糖尿病など)の方に合併しやすいと言われています。円形脱毛症を繰り返す方、多発する方は血液検査でそれらの疾患を除外することも大切です。

ウイルス感染後に脱毛が引き起こされることがあります

・遺伝的素因

検査

ダーモスコピー検査:

円形脱毛症に特徴的な毛髪を拡大鏡で観察します。

病的な毛髪の有無を観察することで現在の病勢を判断します。

急性期には断裂毛、黒色点、漸減毛など病的毛がみられます。

抜毛テスト:

抜毛で得られた毛根を拡大すると、毛根部が障害された萎縮像がみられます。

治療

日本皮膚科学会の円形脱毛症ガイドラインに沿って治療を行っていきます。

前述した脱毛のタイプや罹患している期間、病勢、年齢、基礎疾患の有無などを考慮し下記の治療を組み合わせていきます。

ステロイド外用

脱毛部にステロイドを外用することにより毛根部の免疫の過剰な反応をを抑えます。

ステロイド局所注射

脱毛部分に直接薬剤を注射し、免疫の過剰な反応を抑えます。

SADBE(現在当院では行っていません)

化学薬品を脱毛部に塗布することで人工的にかぶれを引き起こします。

免疫反応が調節され発毛を促します。

内服薬(セファランチン、グリチロン、抗アレルギー剤)

抗アレルギー作用・抗炎症作用を有する内服薬です。

光線療法(エキシマライト)

紫外線の中でも308nmの波長のみを短時間で照射する紫外線照射器です。照射部位の免疫の働きを調節し脱毛症を改善していきます。

液体窒素療法

液体窒素で脱毛部を冷凍することで過剰な免疫反応を調節します。

ステロイド内服、パルス療法(点滴)

ステロイドの内服や点滴を行います。

パルス療法の適応は16歳以上、脱毛範囲25%以上、発症から6か月以内となっています。

しかし、上記に当てはまる方でも易抜毛性に乏しく、急性期にみられる病的毛がみられない場合は一般的に適応になりません。

当院ではパルス療法の適応、希望のある方は入院加療ができる近隣の大学病院へご紹介しております。

オルミエント内服

2022年に円形脱毛症の新たな治療薬として登場した薬剤です。

免疫細胞から放出される円形脱毛症に関与する化学伝達物質(INFγ、IL-15など)を阻害します。

頭部全体の50%以上に脱毛が認められ、過去6か月間自然発毛が見られない方に適応があります。

投与前に採血、胸部レントゲンの検査が必要となります。

当院では同じフロアの”たかの内科クリニック”と連携し薬剤投与前後の胸部レントゲン検査を行っています

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